日本での食材調達方法

スーパーマーケットでの食材調達

日本のスーパーマーケットは、日常的な食材調達の中心的な存在です。ほとんどの日本のスーパーでは、野菜、肉、魚、調味料などが揃っており、インドネシア料理を作るための基本的な食材も手に入ります。ただし、インドネシア特有のスパイスや調味料を見つけるのは難しいこともありますが、工夫次第で現地の食材を代用できます。

主要スーパーマーケットの特徴

日本の各地に存在する大手スーパーマーケットでは、一般的な食材を揃えています。以下は代表的なスーパーとその特徴です。

イオン

イオンは日本全国に展開している大手スーパーマーケットで、幅広い商品を取り扱っています。特に都市部のイオンでは、アジアの食材や調味料の品揃えが豊富で、インドネシア料理に使える食材も一部見つかります。冷凍コーナーでは、冷凍野菜や冷凍のエビや魚を利用して、現地の味を再現することができます。

ライフ

都市部に多いライフは、新鮮な野菜や魚、肉類が充実しています。野菜は季節によって異なりますが、ナシゴレンに使うことができるキャベツや、テンペの代わりに使える豆腐など、日常的なインドネシア料理に必要な食材が揃います。ライフの一部店舗では、外国人向けのコーナーもあり、サンバルなどのアジア調味料を見つけることができることもあります。

イトーヨーカドー

日本全国にあるイトーヨーカドーも、品揃えが豊富なスーパーです。こちらも都市部の大型店舗であれば、アジア系の食材が揃うことが多く、特に冷凍食品や調味料が充実しています。多くの店舗で価格も手ごろで、品質の良い食材が手に入るのが特徴です。

スーパーマーケットで探せるインドネシア料理に使える食材

野菜類

日本のスーパーで手に入る野菜は、インドネシアのものと異なる場合がありますが、キャベツ、ほうれん草、青梗菜などはインドネシア料理にも活用できます。例えば、サンバルゴレンの炒め野菜やナシゴレンに加えることで、インドネシアの味に近づけられます。

肉・魚

ナシゴレンやサテなどに使用する鶏肉や牛肉は、日本のスーパーで簡単に手に入ります。魚介類も、エビやイカが比較的手頃な価格で手に入るため、バリ風のシーフード料理にも使えます。

調味料

日本のスーパーでは、醤油、塩、酢、唐辛子などの基本的な調味料が揃っています。インドネシア特有のサンバルやケチャップマニスがない場合は、代わりに日本の醤油や甘めのソースを工夫して使うことができます。

値段の目安

日本のスーパーマーケットでの食材価格は地域や店舗によって異なりますが、以下は一般的な目安です。

• 鶏肉（100g）：100円〜150円

• キャベツ（1玉）：200円〜300円

• エビ（100g）：300円〜400円

スーパーマーケットでの食材調達は、便利で手軽ですが、インドネシア特有の食材が見つかりにくい場合もあるため、次に紹介するアジア系食材店やオンラインショップの活用も併用すると良いでしょう。

インドネシア食材が買える主なアジア系食材店

以下は、東京や大阪などの大都市圏で見つけやすい、インドネシア食材を扱う主なアジア系食材店です。

ASIA SUPER STORE（東京）

東京を中心に展開している「ASIA SUPER STORE」は、東南アジア各国の食材を幅広く扱っているスーパーです。テンペ、ケチャップマニス（インドネシアの甘い醤油）、サンバル（インドネシアの辛いソース）などが手に入るため、現地の味を再現することができます。また、冷凍のバナナの葉やバリ島のココナッツミルクなど、現地でしか手に入らないような商品も見つかります。

NATIONAL AZABU（東京・広尾）

東京の広尾にあるNATIONAL AZABUは、外国人が多く住む地域にあり、インドネシアを含む多国籍の食材を取り揃えています。ここでは、東南アジア系の調味料やスパイス、冷凍食品が豊富で、インドネシア人にはありがたい食材が揃っています。

TOKO INDONESIA（東京・大久保）

大久保にある「TOKO INDONESIA（インドネシアショップ）」は、東京で生活するインドネシア人が利用する人気の店舗の一つで、特にインドネシアの食材や生活用品を中心に扱っています。

インドネシア料理に欠かせないスパイスや調味料（サンバル、ケチャップマニスなど）をはじめ、ナシゴレンやサテの素なども取り揃えています。indomieやtempeh、krupukなども購入できます。

新大久保のアジアマーケット（東京・新大久保）

新大久保は、東京のアジア系食材の宝庫とも言われており、多くのアジア食材店が集まる地域です。新大久保のアジアマーケットでは、インドネシアの調味料やスナック菓子、即席ラーメン（ミーゴレンなど）も手に入るため、簡単にインドネシアの味を楽しむことができます。

Osaka Spice & Halal Food （大阪）

大阪にある「Osaka Spice & Halal Food 」では、インドネシアのハラール対応の食材や、インドネシア料理に使うスパイスを見つけることができます。ハラール対応食品を提供しているため、イスラム教徒のインドネシア人にとっても便利なショップです。

オンラインショップを使った食材購入

日本でインドネシアの食材を手に入れるもう一つの便利な方法が、オンラインショップを利用することです。特に、近くにアジア系食材店がない場合や忙しくて店舗に行けない場合、オンラインでの購入は大きな助けになります。近年、日本国内のオンラインショップでもインドネシア食材を扱う店が増えており、自宅にいながら簡単に注文ができるようになりました。

インドネシア食材が買える主なオンラインショップ

以下は、日本国内で利用できる、インドネシア食材を扱うオンラインショップです。

KALDI COFFEE FARM ONLINE STORE

カルディは、日本で有名な輸入食品のチェーン店で、オンラインショップも運営しています。ここでは、インドネシアの調味料やindomeなどが手に入ります。例えば、「サンバルソース」や「ケチャップマニス」など、インドネシア料理に欠かせないアイテムが見つかります。また、食品以外にも、コーヒーやスイーツなど、東南アジアに関連する商品も豊富です。

業務スーパーやコストコの活用法

日本での生活コストを抑えつつ、インドネシア料理に必要な食材を揃えたい場合、業務スーパーやコストコといった大型店舗の活用が非常に効果的です。これらの店舗は、大量の食材を安価に購入できるため、調味料や冷凍食品、乾物類をまとめ買いする際に特に便利です。ここでは、業務スーパーとコストコで手に入る食材やその利用方法について詳しく説明します。

業務スーパーの特徴

業務スーパーは、主に飲食店や大量調理を行う方向けの商品を提供するスーパーですが、個人の買い物客も利用することができます。商品の多くが業務用サイズで販売されており、大量に購入して保存できるため、長期的に使える食材を安価で手に入れることが可能です。

冷凍食品が充実

業務スーパーでは冷凍食品が豊富に揃っており、冷凍野菜、冷凍エビやイカ、冷凍肉団子など、インドネシア料理に使える食材も多数見つかります。例えば、ナシゴレンやサンバルゴレンに使える冷凍エビや、ルンダン（牛肉のココナッツ煮込み）に使える牛肉も、大量パックで安く購入できます。

調味料が安価で手に入る

醤油、オイスターソース、ココナッツミルクといった調味料も、業務スーパーで大容量のものが揃っています。特に、ココナッツミルクはインドネシア料理に多用されるため、大量に買っておくと便利です。また、唐辛子やニンニクのペーストも業務スーパーで手に入れることができるので、サンバルや辛い炒め物を作る際に重宝します。

乾物や缶詰食品も豊富

業務スーパーでは、インドネシア料理に使える乾物や缶詰食品も豊富です。例えば、干しエビや鰹節は、味付けやダシを取るのに使えるため、日常の料理に取り入れやすいアイテムです。また、缶詰のココナッツミルクやトマトペーストは、保存がきくため、料理のストック用に購入しておくのがおすすめです。

コストコの特徴

コストコは会員制の大型倉庫型スーパーで、主にアメリカの商品を中心に取り扱っていますが、アジア食材や大容量の商品が豊富に揃っています。シェア買いをするとさらにコストを抑えられるため、家族や友人と一緒に購入して分け合うのも一つの方法です。

大容量の食材でコストを節約

コストコの特徴は、その圧倒的な大容量の商品です。例えば、鶏肉や牛肉は1kg単位、またはそれ以上の量で販売されているため、買いだめして冷凍保存しておくことができます。インドネシア料理では肉類を多く使うため、こうした大量購入は非常に便利です。ナシゴレンやサテ（インドネシア風焼き鳥）に使う鶏肉も、大量購入して冷凍しておくのをオススメします。

多国籍食品が豊富

コストコでは、外国から輸入された多国籍食品も豊富です。例えば、インドネシア料理に使えるスパイスやソース、またindomieなどがまとめて購入できる場合があります。また、アジア料理用の調味料やココナッツミルクの大容量パックも揃っており、これを使ってインドネシア料理を家庭で楽しむことができます。

冷凍食品やシーフード

コストコの冷凍食品コーナーには、エビやサーモン、イカなどのシーフードが大量に揃っています。これらはバリ風のシーフード料理や、サンバルを使った炒め物に活用できます。さらに、コストコではシーフードミックス（エビ、イカ、ホタテが入った冷凍ミックス）も手に入るため、手軽にシーフード料理を作ることができます。

シェア購入と冷凍保存のコツ

業務スーパーやコストコで大量に購入した食材を効率的に使いこなすためには、シェア購入と冷凍保存が重要です。例えば、家族や友人と一緒に食材を分け合いながら購入することで、無駄なく食材を使うことができます。また、大容量の肉や魚を小分けにして冷凍保存することで、長期的に使うことができ、食材を新鮮な状態で保つことができます。

冷凍保存のポイント

食材を冷凍保存する際は、小分けにしてラップやジップロックに入れ、使いやすいサイズにしておくのがポイントです。特に肉や魚は一度に使い切れないことが多いため、料理のサイズに合わせて事前に分けておくと便利です。冷凍庫での保存期間は、通常3か月から6か月程度ですので、その間に使い切るように計画して調理しましょう。

代用品でインドネシア料理を再現する方法

日本に住んでいると、どうしてもインドネシアの特定の食材が手に入らないことがあります。しかし、近い味や風味を持つ日本の食材を上手に使って、インドネシア料理を再現することは十分可能です。ここでは、代用品を使ってインドネシア料理を作るコツや、アレンジレシピを紹介します。

日本の食材を使ったインドネシア料理のアレンジ

インドネシア料理の特徴的な風味を出すためには、スパイスや調味料が重要です。しかし、必ずしも全ての材料が揃わなくても、日本の食材で代用することができます。以下は、特に代用品を使って簡単に作れるインドネシア料理の例です。

ナシゴレン

ナシゴレンの特徴は、甘辛いケチャップマニスやサンバルの風味です。日本ではケチャップマニスが手に入りにくいため、代わりに日本の醤油と砂糖を混ぜて使うことで、甘みを加えた醤油風味を再現できます。また、サンバルの代わりに豆板醤やコチュジャンを少量使うと、似たような辛みを出すことができます。具材としては、冷蔵庫にある鶏肉やエビ、そして野菜類（キャベツ、ピーマンなど）を使うと、手軽にナシゴレンを作ることができます。

ルンダン

ルンダンは、牛肉をココナッツミルクとスパイスで煮込むインドネシアの伝統的な料理です。ココナッツミルクが手に入らない場合、牛乳と少量のココナッツオイルを使ってコクを出すことができます。スパイスの調達が難しい場合は、カレー粉やガラムマサラを代わりに使うことで、似たような風味を出すことができます。煮込む時間が長い料理なので、日本のスーパーで購入できる国産牛肉を使ってじっくりと柔らかく煮込むことで、本格的な味わいに近づけられます。

サテ

サテは、甘辛いピーナッツソースで味付けした焼き鳥です。ピーナッツソースの代わりとして、日本のピーナッツバターを使うことができます。ピーナッツバターを醤油と砂糖で混ぜることで、甘く濃厚なソースが出来上がります。鶏肉を串に刺して、このソースに漬け込んでから焼くことで、サテのような風味を再現できます。

日本の食材をアレンジしたレシピ例

インドネシア料理に必要な食材がない場合、代用品を使ったアレンジレシピも楽しめます。ここでは、身近な日本の食材を使ったインドネシア風アレンジ料理をいくつか紹介します。

サンバル風炒め物

インドネシア料理の多くに使われる「サンバル」は、唐辛子をベースにした辛いソースですが、日本では手に入りにくい場合があります。そこで、一味唐辛子と味噌、醤油、砂糖を混ぜた即席のサンバル風ソースを作り、野菜炒めやエビの炒め物に使うことができます。味噌が加わることで深みが出て、辛さと甘さがバランス良く楽しめます。

テンペの代用：豆腐を使った揚げ物

テンペ（発酵大豆）は日本では手に入りにくい食材ですが、代わりに木綿豆腐を使って揚げ物にすると、似たような食感を楽しむことができます。豆腐をしっかりと水切りし、小麦粉をまぶして揚げると、テンペのようなカリッとした食感を再現できます。これにサンバル風ソースをかけると、テンペゴレン（テンペの揚げ物）に近い味わいになります。

バナナの葉の代わりにアルミホイルで包んで蒸し料理

インドネシアでは、蒸し料理にバナナの葉を使うことが多いですが、日本ではバナナの葉が手に入りにくい場合があります。その場合、アルミホイルを代用して魚や肉を包み、蒸し料理を作ることができます。アルミホイルは耐熱性があり、食材の水分を閉じ込めて蒸すことができるため、バナナの葉ほど香りは出ませんが、食材の旨味を閉じ込めた調理が可能です。

日本の伝統食材をインドネシア料理風にアレンジ

日本の食材をうまく活用して、インドネシア料理の風味を取り入れるアレンジ方法もあります。

大根を使った「アチャール」風ピクルス

インドネシアの「アチャール」は、野菜の甘酸っぱいピクルスですが、日本では大根や人参を使って代用できます。大根を短冊切りにし、酢、砂糖、塩、唐辛子を使って漬け込むことで、インドネシア風のさっぱりとしたピクルスが完成します。これを付け合わせにすれば、ナシゴレンなどのインドネシア料理にぴったりです。

レンコンを使ったスナック

日本のレンコンを薄切りにして揚げ、サンバル風ソースをかけることで、インドネシアの「クラッカー」風のスナックを作ることができます。カリカリとした食感と辛味が、ビールなどのドリンクにもよく合います。

代用品を使うメリット

代用品を使うことで、身近な材料でインドネシア料理を手軽に楽しめるのが大きなメリットです。特に、日常の買い物で手に入る食材を活用することで、料理にかかるコストや手間を省きつつ、現地の味に近いものを作ることができます。少しの工夫でインドネシアの家庭料理の味を再現し、日本の食材とインドネシア料理の融合を楽しんでみてください。

まとめ

日本で働くインドネシア人にとって、現地での食材調達は、インドネシア料理を作るための重要な課題です。しかし、スーパーマーケットやアジア系食材店、オンラインショップを上手に活用すれば、インドネシアの味を日本で再現することは十分に可能です。また、業務スーパーやコストコを利用して、大量に食材を購入し、シェアや冷凍保存を駆使すれば、コストを抑えつつ長期間使える食材を手に入れることができます。

さらに、日本の食材をうまく代用し、現地の料理に近い味を作るための工夫も、料理の楽しさを広げてくれます。ケチャップマニスの代わりに醤油と砂糖を使ったり、ココナッツミルクが手に入らない場合は牛乳とココナッツオイルを使ったりすることで、インドネシアの風味を簡単に再現できます。また、日本の伝統的な食材をインドネシア料理風にアレンジすることで、双方の食文化を融合させた新しい料理も楽しめるでしょう。

インドネシア料理の豊かな味わいを日本で楽しむためには、まずは近くのスーパーや食材店を探索し、料理に使える材料を工夫してみることが大切です。代用品を活用しながら、日々の食事にインドネシアらしさを取り入れて、家族や友人と共にインドネシアの味をシェアしていくことで、日本での生活がより充実したものになるはずです。

これからも、日本での生活の中でインドネシア料理を楽しむための工夫や情報を探し続け、自分に合った食材調達法を見つけていってください。